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よこと病気と○○と

1人の人間として、ありのままをツラツラと。お布団と社会の間から

私と病気と自転車


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土曜日

だれにも秘密で

私はある作戦を立てた





"被写体活動に復帰すること"





カメラマンさんと、撮影の約束をした

何食わぬ顔で、約束をした


時間 18:00〜22:00


あえて、
自分が逃げられない状況を作った

自分に試練を与える決意をした


だれにも内緒で、準備を進める。



いつもより少し濃い目のメイクをして

夜撮に映える服を身にまとった

家から恵比寿まで、普通に行けば
1時間かからないけど

余裕をたっぷりとって

2時間半前に、家を出た

薬は、3錠飲んだ


うん、よく効いている

そう何度も何度も心の中で唱えて
いつものように自分に暗示をかける


最寄りまで、自転車をこぐ


よしよし、順調


最寄りについて改札に入る


ああ、だめだ…

 
改札に入っただけで
鼓動が早くなる、吐き気に襲われる。


極度の緊張に襲われながらも
なんとか電車を待ってみた

土曜の昼時なのに
電車は思った以上に混んでいた




2本


電車を見送った





それでもやっぱり、ダメだった。





もう、お家に帰ろう。

申し訳ないけど、カメラマンさんには
土下座して何度も何度も謝ろう。

そうするしかない。


そう思って、
止めたばかりの駐輪場に戻った

自転車のハンドルに手をかけて
帰ろうとした、その時
ふと
バカみたいな考えが浮かんだ



「自転車で行ってみようか?」



道なら、もう調べてある

時間だって、たくさんある

まだ、間に合うかもしれない

まだ、やれるかもしれない。


可能性は低い
けど、手段があるなら
それに、賭けてみたいと思った



自転車は全く乗らなくなってたせいで
壊れかけてて、
ペダルがすごく重かった

引きこもってたせいで
体力は通常の1/5くらいになってた

坂を、いくつも超えた

なんども、自転車を押して歩いた

坂を越えるたびにひどい目眩に襲われた




半分まで行ったところで、
既に力がほとんど残ってなくてら

もう帰りたいって

ずっと考えていた。


弱くなった私の心を救ったのは、
恵比寿までの道のりの中間点にある
母校だった。

母校のよこを通って
いつもトレーニングしてた
公園を通ったら



まだやれる



自然に、そう思えた


いつも私の首をしめてた
過去の輝かしい自分が
自転車を後ろから
押してくれてるようだった



坂を乗り越えるたびに

息が上がるたびに

胸が苦しくなった
呼吸ができなくなった



それでも、こぎ続けた。



距離にして、7.9キロ



『恵比寿〜恵比寿〜』



聞き慣れた山手線のアナウンス音が
耳に届いた

瞬間、

涙が溢れてきた



感動した

ここまでやれた自分に
本当に感動した

自慢げに自転車をとめた

「ほらね、私にもできたでしょ」って顔してやった

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そこから3時間弱かけて
屋外撮影

恵比寿のイルミネーションは
本当に綺麗で

でもそれ以上に…


ひっさびさの被写体活動!!!!

私のやりたいこと!!!!!!

私の全ての源!!!!!!!


そのことが
枯れかけてた私の心を躍らせた。


最高に、最高に楽しくて
寒さで手足の先が、ツンと痛んだけれど


最後まで、心ゆくまで、


表現し続けた。






楽しい時間が終わって

疲れがどっとくる


でも、勝負はここから


真っ暗になった来た道を
帰らなければならない。


そして勝負の帰り道


携帯の充電が赤になる


足がおぼつかない


何度も何度も道を間違える


全身から力が抜けていく


視界が涙でぼやけ始める




来た道とは違う道で帰って

半分帰ってきたところで

大きな壁にぶち当たった。




どうしよう

足が、動かない。

頭が、クラクラする。



あ、倒れる。





怖い、怖い、怖い!!!!!!

どうしよう、どうしよう、どうしよう!!!!!





言いようもない不安の波が

一気に、襲ってきた。

 

とにかく体を休めようと
近くのカフェに緊急避難


体にエネルギーを入れようと
軽食を食べる


うん、大丈夫、喉を通る。


ご飯、食べれるようになってて
よかった。


そこで冷静に自分に言い聞かせる


大丈夫、大丈夫。
私はあなたの味方だよ。
なにがあっても、私があなたを守るよ。






カバンにそっと、忍ばせたもの




ビニール袋と一万円札。



いつ過呼吸になっても、気持ち悪くなってもいいように。ビニール袋を小さく小さく結んで、忍ばせた。



足が動かなくなったら自転車なんか投げ捨てて、たくってしまえるよう。
それもできなかったら、いっそ帰るのをやめてホテルに泊まれるように。

必要以上のお金を、忍ばせた



大丈夫、大丈夫

なにがあっても、大丈夫

自分を優しく優しく、包み込んだ。




軽食を食べて
あったまった体で
足早に店を出る



残り半分、大丈夫、私ならやれる


 

暗い帰り道の先に、昔の自分が見えた。


うつむいて、
涙を必死に隠しながら歩いている、
昔の自分。



ここから先の道はよく、知っている



電車に乗れなくなって、

何度も何度も、涙を流しながら

歯を食いしばって、

歩いて帰った道だった



そんな私がいたからこそ

今こうして、迷うことなく、
こぎ続けられる。



私、あの時頑張ってくれて、
ありがとうね。



昔の自分の頭を撫でるようにして
残像を、自転車でグンと追い抜いた




漕いで漕いで漕いで漕いで


とにかく漕いで。



辛かった

怖かった




でも、前だけみて漕いだ。





頭が朦朧とする

膝も足ももう力が入らない




でもこの感じを、私はよく知っていた

こんな時、どうしたらいいかも
よく知っていた




太ももを、2回強く叩く

そして、腕をまくる

次にほっぺを1回叩く

あとは、前を睨むように見続けるだけ。




根性なら



高校の時にとっくに培った




辛くなってからが本番

そこからが、正念場


私はみんなみたいに運動神経が
とびきり良いわけじゃなかったけど


根性と精神だけは、

みんなと同じくらい手に入れてた。



腕をまくって

太ももとほっぺを叩いて

前を見つめた。



ゴールを、捉えた。





帰り道、10.2キロ
かけた時間、2時間



自転車を家の駐輪場に止めて
サドルから降りた後

立っていられなかった
どうやってここまで帰ってきたの?ってくらい、フラフラだった

気分としてはフルマラソン走り終わった後のかんじ


タオルに巻かれて倒れ込む選手のように

部屋の布団に、倒れこんだ。


視界がグルングルンした
息切れが止まらなかった


でも




帰って、これた。





総移動距離  18.1キロ
総移動時間   3時間半





充分すぎる、一歩だった。




いつもなら
これだけの恐怖を味わった後

もう外になんて、出たくないと

また引きこもり始めるのに


なのに今日は、帰ってきた今、
そんなことみじんも思ってない自分に
驚いた。


 


恐怖<楽しさ、喜び






外で帰れなくなるという恐怖より


好きなことを好きなだけやれる
行きたいところにどこまでも行ける



その喜びが、恐怖をうわ抜いた。



こんな経験は、初めてだった。




今日、私をここまで突き動かしたものは
いったいなんだったんだろうか?


被写体活動を再開したいという
気持ちも、もちろん強かったけど


でもそれより、なによりも私は


みんなから希望をもらってたから。


そして私も、
みんなの希望になりたいと思ったから。



人には、誰かのせいにしないと、
乗り越えられない苦しみがあるなら


それと同じように

人には、誰かのためになら乗り越えられる、苦しみも、あるんじゃないかと思う



そして、
私は


終わりの見えない地獄に開いた
針の穴のような
小さな小さな
ゴールを見たんだ


暗すぎて、
ゴールまでの距離はわからない

その光は小さすぎて、瞬きをしてる間に、消えてしまうかもしれない

そんな小さな穴から差し込む
小さなゴールだけど
 


私は、確かに見たんだ。



そんな小さなゴールを見ただけで


また元の生活に戻れるかもしれない

いや、戻らなければいけないんだ


そういう類の希望が
ぶわっと心に満ちたんだ。





久しぶりの被写体活動

私の心の中に決めたテーマは



『希望』『光』




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希望や光はただ笑っているだけでは
掴めないし、
掴んだとしても、
気を抜けばするりと零れ落ちてしまう。
とても儚くて、不安定なもの。

そして光にたどり着くには
時として残酷な現実とも
向かい合わなければならないということ。


それでも、
負けないでほしい。

笑うことを、絶やさないでほしい。

そんな意味合いを込めました。



どうか今日私が見た、小さなゴールが
多くの人の目の前にも
現れますように。


この作品を
戦う全ての人に、捧げます


『願い』

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今日はこのへんで


photo by_takeshi yokoyama

(*作品の都合でブログ更新が遅くなってしまったけど、私は元気です
これからも続けていきますよ☺️)