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よこと病気と○○と

1人の人間として、ありのままをツラツラと。お布団と社会の間から

私と病気と焦げた彼




許せない、人がいる



私の思い出の中の彼は

雑で
適当で
上っ面で
裏切り者で

とにかく、最低なやつだった。



彼と付き合ってから私は
人を信じれなくなって
恋愛を、近づけないようになった




裏切られた。


その事が長い長い年月の中で
増して膨らんで
憎しみとなって、残り続けていた。



彼は何度も私に約束を交わした


大切にすると
ただそばにいれたらそれで幸せだと
一緒に戦うと
治るまでずっと待つと



だけどその約束達はどれひとつとして、



守られなかった。




改札をくぐり

遠ざかって行く彼の背中を

私には追いかける術もなくて

ただただ歯を食いしばって

見送っていた。




そんな

切なく苦しい

汚れた記憶が

ただただわたしの頭には、こびりついていた


鍋底についた焦げのように
それはしつこくいつまでも取れなくて
私の身体を、ひどく、汚し続けた。




彼と離れて半年がたった

彼から突然連絡が来たのは
私が21歳の誕生日を迎えた時だった


彼は、相変わらずで

唯一変わったのは、
タバコをやめたことだった。


それからお互いが暇な時電話をする日が続いた


彼の声を聞き
彼の寝息を聞き


私の中にこびりついた焦げが
少しずつ、落ちていくのを感じた



朝起きれば
彼は「おはよう」とLINEを打った

私が「おはよ」と数時間遅れでLINEを返せば

彼は決まって「体調はどう?」と聞いていた


私が病院に行くとさらっと言えば
診察が終わった後に「結果どうだった?」
と聞いてきた


薬が怖くて飲めない夜には
私は彼が忙しいのに無理を言って助けを求めた

自暴自棄になって
支離滅裂状態ではの私に
彼は面倒くさいとゆうこともなく
ひたすらき、付き合ってくれた

次の日の朝には何度も電話をかけてきた


ごめんな、ごめんな
眠れた?大丈夫か?






彼氏でもなんでもないのに。


私はあなたなんて大っ嫌いなのに。


あなたは昔のままだった。







ああ、焦げが、とれてゆく


少しずつ剥がれ、底が見えてゆく


二人の思い出が確かに、見えてゆく




記憶の中で薄汚れた思い出が

劣化した思い出が

まるで本当の姿をみせてゆくようだ







ねぇ。




本当は、わかってた。



彼は何1つ、悪くなかったこと。



悪いのは、
病気になってしまった私だってこと。




元気だった彼女が突然病気になって
どこへも行けなくなって
普通の恋人らしいことはなにひとつしてあげられなくなって



2ヶ月も、会えなくなって。




それでも彼はずっと

笑ってて。



たとえどんな不安の中で
恐怖の中にいたとしても

ひたすら守ると
一緒に戦うと

そう、誓い続けてくれた



きっと私以上に、
不安で辛くて苦しかったろうに


それなのに

強く、あり続けてくれた

無邪気に、笑い続けてくれた




私は

裏切られたことばかりが悲しくて

思い出を焦がして

姿形を変えさせてしまった。



本当に醜いのは、私の、方だ。







あの頃の私は
きっと今よりもっと、死んでいて


人間でいられたかも危うくて。


そんな私が唯一人間としていられたのは、
生きていられたのは

きっとあの時、

一人じゃなかったから。







簡単に許すことはできないし

思い出にはやっぱり勝てない



それでもこうして少しずつ
きみとの思い出についてしまった
焦げ付いたモノを、取っていけばいいな、
なんて、
思ったりした。




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