よこと病気と○○と

1人の人間として、ありのままをツラツラと。お布団と社会の間から

私と病気と副作用




怖かった。



初めて行く病院が、怖かった。

1人で待つ待合室は、ひどく冷たくて、怖かった。

両手こぶしを膝の上でぎゅっと握りながら
私はただただ、重圧に耐えていた。



重い副作用が伴うとわかっていて飲む薬が、怖かった。

これから始まる辛い数日を想像して、怖かった。



強烈な吐き気

世界が反転するほどの眩暈

ひどい胸のムカムカ

寝ていることがやっとなほどの重い身体



副作用慣れしている私ですら、困憊状態だった。

Twitterでさえ弱音を吐くことを、やめられなかった。



「いっそ、殺してくれ。」

「楽にしてくれ。」


そう思うほどの苦痛は、初めてだった。


私は、知らなかった。
副作用の本当の辛さも、この怖さも。


だけど闘病している人の中には、
この辛さを毎日、何年、何十年も経験している人がいるのだと

ただただ光を信じて戦い続けているのだと



そのことを私は、知らなかった。




「頑張れ」は、確かに力になる

だけどきっと、時にそれは重圧になる

綺麗事をかければ相手を傷つけ

同情をすれば相手の誇りをへし折ることにもなる


言葉は、難しい。






それでも私は、

受け止められる人になりたい。


どんな言葉も気持ちも、受け止めたい、
私を思ってくれたことを、

病気のせいで、忘れたくない。




わかってる


それ自体がすでに綺麗事であることも、


わかってる



それでも私は、
今回の辛さを経験してそうでありたいと、
思ってしまったんだ。





私のこの副作用は、いずれ落ち着く

あと2.3日もすれば、終わりが来る

戦えるのは、終わりを知っているからだ。



終わりが見えないということは、
恐怖だ。

クリアのないRPGなんて誰もやりたがらない


それでも人間の一部は、
終わりのないそれを課せられてしまう


彼らは日々思う


「ゴールはどこですか」
 
「終わりはまだですか」


必死に上へ上へ手を伸ばし、
これ以上落ちまいと今にしがみつく


それでも終わりなんて、見えやしない
もしかしたら





死ぬまで





続くなんて、ことも考える。




終わりがない

それは、

永遠にまとわりつく、恐怖




いくら焦らなくても
ゆっくり自分のペースで生きても
終わりのない恐怖は、消えない。




振り返ればもう道はなく、
眼下にあるのは終わりの見えない道

そこに差し込む光はなく、
光のない世界は色がない


凍てつくほどの恐怖が一面に広がる。




加えて身体への苦しみ
得体の知れない何かが、自分の身体を蝕む恐怖
激痛、痙攣、麻痺、呼吸困難
「死」への恐怖




次第に壊れる音がする

身体が壊れ
心が壊れ

自分が壊れていく音




もう2度と私は、聞きたくはない。



 




得体の知れない恐怖と戦う人たち
誰よりも勇敢な人たち

そんな人たちに出会ったのなら、


「よく頑張ったね」
 

そういって思いっきり抱きしめて
目一杯あたまをなでたり

プレゼントを贈ったり


写真でもいい
言葉でもいい
態度でもいい


わずかでも
安心してできる、ひと時を与えられる人に
私はなりたい


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