よこと病気と○○と

1人の人間として、ありのままをツラツラと。お布団と社会の間から

私と病気とさよなら白野よこ

 

ここ最近「白野よこ」から離れていました。

 

それは自分の中で初めて写真が天秤にかけられ

そして負けてしまったこと。

 

悲しいことのように感じたけれど

それは卒業に近い感覚でした。

 

写真は、あの頃の私に許された唯一の美しさで優しさだった。

怖い夢を見る日々に、色を失った日常に

仄かな明かりを灯してくれた。

「世界は思ったより美しい」忘れていた真実を教えてくれた。

ファインダー越しに見る世界はいくらか楽で

その青や光の線、曖昧な輪郭のまあるい光に

私は感動に似た嬉しさを覚えた。

私と、この子と、そしてあなた。

ずっと3人で入れたらいいななんて笑うくらい

私にとってカメラは命綱であったように思う。

 

そんな写真が、私の元から離れて2ヶ月たった。最初はそれこそひどく動揺したが、

よく考えたらそれは単に

必要がなくなったことだった。

 

ファインダーを通さずとも、わたしの世界は

もうずいぶんと美しい。

美しいのだ。

 

写真は世界を120%の美しさで写せると思っている。それは技術だけでなくきっと心情もなるからだと思う。

 

今の私の世界は100%だ。

汚くもあり、美しくもあり

世界のちょうど真ん中のところを見ている。

 

100%の世界は写真で写すことより

残す事の方がよっぽどあっていた。

あ、綺麗

そう思っては手に持っていたiphoneで切り取る

そうしてきっとこれが、私がずっと欲しかった日常だと

切り取るたびに心から思う。

 

私はずっと、見つめてきた。

汚いどん底も、眩しすぎる光も

この瞳でずっと、見つめてきた。

 

布団にくるまって朝を待った。

最低だって泣き叫んで飛び出した。

消えてしまいたいと両腕を握った。

血が滲むほど歯を食いしばった。

 

そうやって、生きてきた。

 

そこで手に入れた「白野よこ」は

とても周りに恵まれた人間になった。

 

一緒に泣いてくれた。

あなたが好きよと言ってくれた。

世界の色を、匂いを、温度を教えてくれた。

私の言葉、写真を愛してくれた。

 

そうして私は

生きながらえてきた。

 

その数年は夢のようで

とても長い歳月が経ってしまったようにも思う。

 

今はもうはっきりと思い出せず

ただたまに、あの写真にどっぷり浸かっていた

感覚を、日の木漏れ日を見たりしては思い出し懐かしくなる。

 

今の私には綴れる言葉も

写せる写真もほんの僅かだ。

 

自分のために生きられず

人のためにだけ生きることを選んだ私が

 

今はもう、私の幸福のために生きたいと思ってしまった。

 

それでも、忘れたくないことがある。

それがこの「瞳」で、ずっと見てきたこと。

 

憎悪も悲しみも悔しさも

私は忘れっこないし

それでいいと思うし、そうであり続けたい。

 

あの頃ずっと、何処かへ行きたいと思っていた

ここでない、何処かへ。

 

でも今はもうそんな妙なことはこれっぽっちも思わない。

私は、ここでいい。

 

 

私が写真を撮らなくなったわけ。

それはあまりにも簡単で、朗らかだ。

 

撮らなくても、もう大丈夫になったから。

 

 

先日母が入院し家庭環境が傾いた。

 

環境の変化はじわじわと私の心と体を蝕み

久しぶりに眠れずに朝を迎えた。

 

それでもそんな私の頭を撫でてくれる人がいる。

何も聞かず、大丈夫となんども優しい声で呟いた。

涙は止まらなかったけど、嬉しかった。

子供みたいに胸に顔をぎゅっと押し当ててわんわん泣いた。

本当に、嬉しかった。

 

 

「瞳」

 

母と父が私に与えてくれたもの。

その名前。

その優しさ。

その強さ。

 

写真は今の私には必要ない。

この瞳で、ただ見つめるのだ。

100%の真実が今の私の生きる世界。

 

またいつか、必要になったら

シャッターを切ればいい。

 

それでいい。

 

今日はこのへんで

f:id:yoco_0531:20170818180004j:image