よこと病気と○○と

1人の人間として、ありのままをツラツラと。お布団と社会の間から

私と病気と「苦しい」

 

 

大好きな人がいた。

 

 

 

その時の私の小さな世界では、その人だけが全てで。

 

だから私はどんな方法でも、彼を繋ぎ止めておきたかった。

 

 

これほどと言わんばかりの、愛を注いだ。

 

最初は喜んでいた彼も

 

いつしかそれだけでは物足りなそうな表情になった。

 

私は物を貢ぐようになった。

 

彼は、笑っていた。

 

だから私は嬉しくて

 

私も、笑っていた。

 

 

だけど働いていない私のお財布はすぐに底をつきかけて

 

彼も甘い夢から覚め始めた

 

 

初めからわかっていた。

 

うまくいくはずがないなんてこと。

 

 

 

彼は何度も何度も、私に言った。

 

「いつまでも待つよ」

 

「大丈夫だよ」

 

「大好きだよ」

 

「側にいれるだけで幸せだよ」

 

「一緒に戦うよ」

 

 

 

今でも時々、あなたと同じ表情で同じこと言う人がいるの。

 

その度に私はあなたを思い出して

 

なにも、信じられなくなるの。

 

 

 

 

あの日

 

背中を向けた君。

 

 

私に

 

病気に

 

 

そうして私の行けないところへ行ってしまった。

 

まるではたから、私なんて、いなかったように。

 

 

 

悔しかった

苦しかった

 

 

あれほど自分の病気を、病気の自分を、恨んだことはなかった。

 

 

 

 

 

そんなことを、思い出していた。

 

 

 

 

 

わたし、ついに、頑張る理由がわからなくなってしまったの。

 

 

 

 

良くなっては悪くなり

何度も繰り返すそれに耐え

 

苦しんで

また人を傷つけて

 

 

 

私はいつまで、あなたの側にいれるかな?

 

未来はあると、信じて生きれるかな。

 

 

 

どこへも行けない体も

会いたい人に会えない体も

どこかしら調子の悪い体も

 

もう全部、捨ててしまいたいの。

 

 

 

 

だって

私がどんなに頑張って、苦しんで、戦っても

手にいれられる対価は

 

みんなが当たり前に、持ってるものなんだもの。

 

 

ずるいよ。

 

ずるい。

 

 

 

 

 

 

言い訳にしか、ならない

 

けれど

 

話を、一つ、聞いてほしい

 

 

病気の症状に「予期不安」というものがあるんだ。

 

 

これは普段みんなが何気なく考える

例えば「今ここで大地震が来たらどうしよう」とか

そういった自分の生命に関することへの危機的不安と同じ種類で

 

だけど私のような病を持つ人は

何をするにもこの予期不安が付きまとってしまう。

 

それは「発作」という、

生命に関わる危機的不安

 

本来、発作で死ぬなんてことはまずない。

だけど死んでしまいそうなほど苦しいそれを一度味わうと

発作が起こることに強い恐怖心を抱いてしまう。

 

常に思考を占めてしまう

 

「もしここで発作が起こったらどうしよう」

 

 

だから怖くて密室空間である電車に乗れない

「電車で発作が起こって倒れたらどうしよう」

 

だから怖くて人と会えない

「この人といるときに苦しくなって発作が起こったらどうしよう」

 

治す方法はいくつかあるけど

私はの場合は時間に委ねるしかない


時間が解決してくれるのを、待つしかない


発作を起こさない日々が続いて

苦しくない日々が続いて

発作の恐怖が遥か遠くへ行った頃に

ようやく落ち着きを取り戻せる。



ただ1つ、私に許されていることが

「撮影」



予期不安なんてものは結局はトラウマで

本当は発作で死ぬこともないんだから

本来はそこにないものだから

何かに集中して忘れていれば、恐怖は消えるんだ。



撮影の時は、被写体に集中する

それなりのプライドと真剣さを持ってやっているからこそ、撮影中の多少の体調不良もなんてことない。



つまりゆってしまえば


「プライベートでは会えません

だけど撮影では会えるよ」



適当なことふざけたように言ってるように、

聞こえるかもしれないけれど


そういう、体なんです。





少し、

病気のせいに、してしまいすぎてるかな。 


私のせいじゃないんです、なんて言ってさ。


同じ境遇で、戦ってる人からしたら


病気を盾にするな、なんて


きっと怒られてしまうね。


その考えも、すごく、わかるよ。


でもね、普段病気にやりたい放題やられて

奪われたい放題奪われてるんだから


ちょっとくらい盾にしてもいいかな、なんて


思ったりも、するんだよ、私は。





当たり前のこと事が


奪われる苦痛は


奪われたことがある人にしか、わからない


到底、わかれない



彼女のその言葉に、私はとても、救われたから。




なんのために、頑張ればいい。



もうどこへも行けなくていいからさ

なにもできなくていいからさ

真っ暗な世界でいいからさ


苦しくないところに、連れてってよ。


痛くないところがいいな。


誰もいない

なにもない

温度も光も匂いも色も

なにも、なくていい。


苦しくないなら、それで、いいから。









ああ、本当に、皮肉だね。



どんなに苦しむのが嫌でも


もう頑張れなくても

もう戦えなくても



私は




私はまだ、死ねないと、思えるよ。




それだけは、だめだと、知っているから。


生きなきゃ、だめだ。


それは、私だけの問題じゃないから。


病気だとカミングアウトした以上


私は生きなきゃいけないんだ。




病気の子が頑張りました

戦いました

死んでしまいました



そんな綺麗事な物語にしていいはずがないから


それは唯一の誇りで、プライドだから。


同じ病で戦う人への、敬意だから。


私の生きた今日が、

誰かの生きた今日でもあるから。





弱くても

メンヘラっても

落ちても



落ちても

落ちても

落ちても

落ちても

落ちても

落ちても

落ちても

落ちても




私は、まだ、生きなきゃいけない。


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